「血糖値を健康診断で測ったら正常値だった。
だから糖質の摂取量はこのままでいい」と感じた経験がある人は少なくないと思います。
ですが、実際には肥満になってしまっていたり、日々イライラしたりしている方も多いのではないでしょうか。
さて、一般的な健康診断では血糖値に関しては「ヘモグロビンA1c」と
「お腹が空いているときの血糖値」を測定します。
つまりは「特定のタイミング」の血糖値しか測定していないという事です。
ですが、それ以上に真剣に考えていかなければならないのはむしろ「血糖値の上下」です。
糖質を過剰に摂取して、血糖値が一気に上がり、そのあと一気に下がれば、
低血糖に陥って眠気・頭痛・倦怠感などに襲われる可能性が高いです。
”血糖値は通常どのように変化するのか?”
では、健康体の人の血糖値(mg/dl)がどのように変動していくのかをお伝えしていきます。
「お腹が空いているとき80~90」→「食事のあと120前後」と変化します。
この変化には食事を終えてから60分程度を要します。
そして、血糖値の上昇に応じてインシュリンが膵臓から発生して、血糖値は徐々にダウンしていきます。
というのが健全な血糖値の変化なのですが、
最近は以下のような変動をしてしまう人が増えています。
「お腹が空いているとき80~90」→「食事のあと140~208」→「インシュリンが出すぎて40~50に」
という振れ幅の大きい変動を見せるのです。
しかも、140~208に到達するまで30分程度しかかからない場合が多いです。
ちなみに、この血糖値の極端な上昇のことを「血糖値スパイク」。
食後のインシュリンの過剰分泌による低血糖のことを「反応性低血糖」と言います。
そして、この反応性低血糖に見舞われると、
冒頭で触れたイライラ感や眠気、頭痛や倦怠感に見舞われやすくなります。
- ”血糖値スパイクなんて簡単に避けられそうだけど……?”
「じゃあゆっくり食べて糖質が急上昇しないようにすれば良いんでしょ」
と思うかもしれませんが、それが実は簡単ではありません。
なぜなら「血糖値を一気に上げることは気持ちいい」からです。
詳しく説明していきましょう。
簡単に言えば「糖質を摂取して血糖値がアップすると、
神経伝達物質のドーパミンやセロトニンが多く発生し気分がよくなる」のです。
そして、これらの神経伝達物質は血糖値の上げ方が
極端(上がり幅が大きい、上がり方が速い)ときほど、多く分泌されると言われています。
ですが、この「気持ちよさ」はずっとは続きません。
反応性低血糖になると、今度はイライラして「もっと糖質を!」と身体が求めてしまうようになります。
そして、炭水化物やスイーツを食べすぎて、脂肪が蓄積して太る……という悪循環にハマってしまうのです。
ですから、糖質や糖分は率直に言って「依存症」を引き起こし得るものであると言えます。
カテゴリーとしてはアルコールや、それこそ麻薬に近いと思います。
既に依存症の状態である場合は、それを直ちに治すことは困難です。
しかし、放置していいはずもないので、自分にできることから取り組んでいくようにしましょう。
- ”血糖値スパイクを回避するために今すぐできることは?”
血糖値スパイクを防止するために今日からできること。
それはズバリ「甘いジュースや缶コーヒーを飲まないようにすること」です。
なぜならこれらは「糖分の塊」であるにも関わらず、素早く摂取できてしまうからです。
まさに「反応性低血糖を起こすための食品」と言っても過言ではありません。
一滴も飲むなとは言いませんので、今日から量を減らしていきましょう。
ちなみに、スポーツドリンクや野菜ジュースにも
糖質が大量に含まれていますから、できる限り避けるべきです。
また「脳のエネルギーになるから」と、半ば言い訳のように
仕事の休憩中などに甘い物を食べている人も多いと思います。
ですが、実際には普通に生活していればブドウ糖が不足することはまずないと言われています。
(プロ棋士などの頭脳労働者となると別のようですが)
ですから、そのような理由でスイーツを口にするのは止めましょう。
「いや、実際頭が働くような気がするんだけど」と思う方もいるかもしれませんが、
それは先述した通り、ドーパミンやセロトニンによる「気持ちよさ」を感じているだけです。
そのあと、低血糖になればかえって疲れてしまうはずですよね。
健康診断で血糖値に異常がないからと言って安心せず、
健康的な体重の維持や、バランスの整った食生活、食べる順番など、気を付けていきたいですね。
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